立体的処理
最近、さまざまなところで立体的なデザインを見かける。ロゴ、見出し、キャッチコピーなどなど。最近ではなんでも立体的にしようという試みが少なくない気がする。しかしそんなに立体的処理が必要なのだろうか?確かに効果的に思えるものも少なくないが、ちょっとやりすぎの感じもある。個人的にはあまり好きになれないことが多く、どちらかというと質素な方が好きである。
既存デザインの立体化
立体的なデザインは、新たなデザインで立体的処理が行われること以外に既存のデザインを立体化したものもある。
詳しい時期は失念したが、ボンカレーのパッケージの同心円が立体的になったのは記憶に新しい。当時、近所のスーパーマーケットで発見したとき、既存のデザインと立体的デザインが一緒に陳列されており、ちょうど移行期だったようだ。当然、旧いデザインが全面に陳列されていた。それから今年に入ってから見つけたのは、雑誌のBegin。いつの間にか表紙のロゴが立体的になっていた。
この調子で世の中のものはどんどん立体的になっていくのだろうか?
ソフトウェアの発達
こういうデザインが増えてきたのは、ソフトウェアの発達によりDTPやウェブサイト制作が一般的になり、誰もが手軽にデザイン制作できるようになったというのがあると思う。3Dグラフィックスソフトはまだ少し取っ付きにくい感じがあるが、平面グラフィックスソフトでは、エンボス(浮き彫り効果)やべベル(角に斜面をつける効果)で行う立体的効果はスイッチひとつでできるレベルにまで達している。それらを使うことによって、あまりデザインになじみのないひとでも、そこそこ見栄えのいいモノができてしまうのである。
しかし、立体的処理はうまく使えばとても効果的だが使いすぎると下品になる、というのも憶えておいた方がいいだろう。
本題とは少し離れるが、筆者は、デザインにおける各種処理(パターンや色、形など)は絶対的なものではなく相対的なものだと考える。例えば、赤い色というのは刺激的で目立つ色ではあるが、なんでもかんでも色を赤くすれば目立つものではない。その部分だけが赤いから目立つのである。そんなの当たり前だと思われるかもしれないが、それを考えていないデザインが多いのも事実である。
さて、立体的のあと、デザインはどのように変化していくのだろうか...。
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エンボス: 浮き彫り効果
べベル: 角に斜面をつける効果
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